会計士を目指したのは、つぶしがきくと思ったからです。
監査は社会のインフラとして機能していますし、会計・税務はどんな会社にも必要不可欠です。
そんなつぶしがきく仕事(=他に応用できる仕事)であれば、仕事のパッケージ化が欠かせません。
パッケージ化とは
パッケージ化とは標準化のこと。
自身の仕事のメニューを考えたとき、どのようなことを提供できるのかを一覧化するために使います。
つまり提案から受注、見積からクロージングまですべてを記録してどこか1か所に集約しておきます。
例えば、個人事業主の法人成りであれば、以下のようなことをまとめてサーバーに保存しておき必要な時に取り出して利用します。
・法人化のメリット・デメリット
・報酬見積もり
・契約書
・スケジュール
・必要な手続き(タスク)
・お客様から頂いた質問とその回答
・お客様との面談メモ
・クロージング
・予算実績分析
初めて経験する業務ですと、目の前の球を打つことに必死でそんなことまで考えが思い至らないこともあるとおもいます。
ただ、業務を文書化するひと手間がかかりますが、間違いなくそれ以上のリターンがあります。
具体的には何をすればよいか
仕事のパッケージ化までには、主に以下のようなフローが考えられます。
・プロセスの文書化
仕事の手順やプロセスを詳細に文書化し、スタンダードな手法やベストプラクティスに基づくガイドラインを作成します。これにより、誰でも同じ方法で作業できるようになります。パワポで本格的に作らなくてもWordやExcelベースで十分です。
・プロセスの標準化
同様のタスクやプロジェクトに対して、標準的なアプローチやツールを使用するようにします。これにより、業種や規模などが異なっていても対応することができます。
・データの収集と分析
仕事のデータを収集し、分析することで、プロセスの改善点を特定します。データに基づいて意思決定を行い、プロセスを最適化します。個人的にはこれが一番手間で一番大切だと思っています。
・継続的な改善
プロセスの継続的な改善を行います。フィードバックを収集し、新しいベストプラクティスを組み込むことで、再現性を向上させます。
仕事の再現性を高める
パッケージ化が力を発揮するのは同種の仕事をいただいたときです。
つまづいた箇所やお客様の疑問点が事前にわかるため進めるのが非常に楽になります。
また、実績として持っているため、自信をもって進める(勧める)ことができます。
特に受注頻度が低い仕事ほど役に立ってくれます。
またこれらはノウハウとして蓄積され、コンサルティングにも利用できます。
会計・税務の領域はこういったパッケージ化を比較的しやすい業種であると考えます。
法人税申告であれば、原則として各事業年度終了の日の翌日から2月以内、所得税申告は3月15日までと申告期限が決まっており、申告書に添付する書類の形式も決まっています。
申告業務はお役所仕事で手続きもマニュアル化されているものが多く、融通が利かない一方で、期限内、営業時間内であれば税務署側もシッカリと対応してくれます。
「何を」「いつまでに」すればよいか1度経験してしまえばそこまで難易度は高くありませんし、再現性も高くなります。
営業であれば、同じマニュアルを使っても人によって、営業成績が全く異なるように、その人の営業スタイルによって再現性が異なります。
もちろん会計・税務サービスであっても、業務の入口に営業があることは変わりません。
しかし最初にお伝えした通り、会計・税務はどんな会社にも必要不可欠であり比較的話も聞いていただきやすいことが多いと感じます(もともと金融機関で営業をしていた者の所感ですが)。
一つの業務が完了したら、是非仕事のパッケージ化を考えてみてください。
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